皆さんセルフネグレクトという言葉を聞いたことはないでしょうか。
セルフネグレクトは直訳で『自己放任』と呼ばれています。
これまでは高齢者に多く見られてきた症状であり、うつ病、総合失調症、アルコール依存症など
精神疾患の可能性もある心の病で現代社会では誰しもが陥りやすい症状になってきています。
近年では若者のセルフネグレクトも増加傾向にあり、防止活動や救済支援などの対策が進められています。
セルフネグレクトによるゴミ屋敷・汚部屋が増加
普段生活していく中で『めんどくさい。』と思うことは良くありますが、
この『めんどくさい』ということが無意識の内に増えていき、とても些細なことが原因で
突然心の糸が切れてしまうことがセルフネグレクトの始まりとも言えます。
セルフネグレクトに陥ると生活を維持する能力や意欲がどんどん低下し仕事を辞めたり、
家族や友人と会う事さえめんどくさくなり社会的孤立に陥りやすくなります。
生活においては、食べたものを片付けれなくなり、ゴミを捨てに行くこともしんどくなるため
ゴミ屋敷や汚部屋になってしまうケースが増加しているのです。
ゴミ屋敷・汚部屋による危険性
ゴミ屋敷での暮らしの中でどんどん判断することを辞めていくと判断力が低下し頭脳が不健康になり認知症に繋がる恐れがあります。
また、体を動かさなくなるので筋力が衰え、身体的機能の低下につながります。
高齢者には視力の低下も重なり失明することもあります。
窓もあけず閉め切った部屋でゴミに埋もれていくと害虫が発生します。
色んな害虫が出てきますが主にゴキブリやハエです。
ゴキブリの糞や死骸が粉塵となり空気中に飛散し、その空気を吸って生活する。
考えただけでもゾッとしますがアレルギーや喘息を引き起こす原因になります。
不衛生な生活は他にもたくさんの雑菌や微生物を体内に入れ、体にも付着するので自身の健康管理はおろか
病気にかかったり最悪の場合、孤立死に至ります。
ゴミ屋敷の危険性は身体的なことばかりではありません。
ゴミ屋敷は火事を引き起こす可能性がとても高く危険です。
たくさんのゴミで溢れているためちょっとした火種で一気に大火事になる可能性があります。
タバコの不始末やストーブからの出火もありますが、コンセントにホコリやゴミが溜まることで
トラッキング火災が起こる事例も少なくないのです。
セルフネグレクトチェック
以下項目はセルフネグレクト診断項目です。
まずご自身がセルフネグレクト予備軍でないかチェックしてみてください。
- ①歯を磨くことをさぼることがある。
- ②お風呂に入ることをさぼることがある。
- ③生活リズムが安定していない。
- ④自炊をせず外食や加工された出来合いで生活している。
- ➄1日に一人の時間が長い。
- ⑥体調を崩しても病院には行かない。
- ➆衝動買いをする。
- ⑧友人や恋人がいない。
- ➈家族がいない（いても遠方になる）
いかがでしたでしょうか。
筆者もお風呂は入るけど本音はめんどくさいし、奥さんが実家に帰っている時はお風呂をさぼります。
生活リズムも乱れていて基本夜中の2時頃に就寝につくので寝不足になることも多く、また体調が多少悪くても仕事をしてしまいがちです。
この診断項目ですが実はほとんどの人が一つ以上当てはまる項目になっています。もちろん当てはまらない人もいらっしゃいますが。
セルフネグレクトの最大の特徴は通常の病気ではないということで、
自分では気づかないうちにセルフネグレクトになってしまっていたという方がほとんどなのです。
そうゆう事からチェック項目は当てはまらない方が珍しいという程、日常に原因が潜んでいます。
少し不安に思われる方もいてると思いますがセルフネグレクトという知識を持っていることが大事です。
そうゆうことを知っていれば日常であまり心に負担をかけない中で意識して改善に取組み、習慣付けることは難しくなさそうです。
また、セルフネグレクトに陥るきっかけはほんの些細なことだったりするので「皆がこうだから、こうしなければならない」ではなく、
たまには息を抜き、自分のペースで生活することで自身の心を労わってください。
自分が知っていることで友人や家族を観察することもできます。
遠方に住んでいるご両親に電話1本でもしてください。たまには実家に帰ってあげてください。
会いに来てくれる人間がいるという些細な事だけで心の病に陥らない方も多くいるのではないでしょうか。
