
故人が愛用していたものを、親族や親しい友人に贈る形見分け。
しかし、形見分けでは思いもよらないトラブルが起きてしまうことも。
今回は形見分けで起こりやすいトラブルや、揉めないために知っておきたい対策法などについて紹介します。
形見分けで起こりやすいトラブル
まずは、形見分けで起こりやすいトラブルについてチェックしてみましょう。
生前の口約束でトラブルに
故人と交わした生前の口約束がきっかけで、トラブルになることは多いもの。
「故人が形見として譲ると言ってくれた」と言われても、嘘か本当か確認のしようがありません。
もし本当のことであっても、主張した人は「売ってお金にしようとしているのでは?」「相続人全員の同意もなく、勝手に決めるの?」と思われてしまう可能性も。
「口約束していた」と突然申し出たり、その申し出を鵜呑みにしたりせず、一度親族や相続人で話し合いをすることが大切です。
渡し方がトラブルになることも
形見はあくまで遺品であり、プレゼントではないので包装する必要はありません。
しかし、受け取る人の気持ちを考えて、メンテナンスしたりクリーニングに出したりして、できるだけきれいな状態にして渡すのがマナーです。
また、形見分けの対象者は決まっていませんが、基本的に故人より目上の人には贈りません。
どうしても目上の人に形見を持っていてほしい場合は、親族や相続人の同意を得た上で「貰っていただけませんか?」と相手に伝えましょう。
誰が何を譲り受けるかでトラブルに
誰がどの形見を譲り受けるかで、トラブルになってしまうことも。
アクセサリーや宝石、コレクションなどの比較的高価なものは、取り合いになってしまう可能性があります。
自分のものにしようと勝手に遺品整理をはじめる人もいるので、事前の話し合いが大切です。
間違って形見を処分してしまう
遺品整理のタイミングで、間違って形見を処分してしまうのもよくあるトラブルです。
自分には不要だと感じられるものでも、他の人にとっては思い出が詰まった大切な品かもしれません。
資産価値だけで判断せず、親戚や相続人と何を形見に残しておくか相談してから遺品整理に取り掛かりましょう。
「いらない」という人に押し付ける
「いらない」という人に、形見を無理やり押し付けるのはNG。
形見分けは、絶対にしないといけないものではありません。
譲り受けても保管に困るという人や、形見を見るたびに大きな悲しみを思い出して苦痛に感じる人もいます。
善意で形見を譲っても、相手が「強引に押しつけられた」と感じてしまうと、お互いに嫌な気持ちが残ってしまうこともあるでしょう。
贈与税の申告漏れ
資産価値が高い形見には、贈与税がかかることも。
「高価な形見を譲り受けたら、申告漏れで税金を払うことになった」というケースもあるので、資産価値が高い遺品は形見分けしないようにしましょう。
迷ったときは自己判断ではなく、税理士などの専門家に相談するのがおすすめです。
形見分けのトラブルを防ぐ対策法とは?
形見分けのトラブルを避けるためには、どのような対策法があるのでしょうか?
形見分けをする前に、親族や友人で揉めないためにできることをチェックしておきましょう。
形見分けをする前に話し合う
形見分けをする前に法定相続人が集まってしっかり話し合うことで、トラブルを避けることができるでしょう。
遺品整理や形見分けは、親族などが集まりやすい四十九日法要に行われるケースが多く見られます。
形見分けなどで相続人になると、借金をはじめとしたマイナスの遺品も相続することになるので、故人の資産や負債を把握した上で話し合うことも大切なポイントです。
形見分けの順番を決める
形見分けのやり方にルールはありませんが、最初に順番を決めておくとトラブルが起きるリスクを軽減できるはずです。
親戚などの中で誰に形見分けが必要か考えて、目上の人から順番に受け取るなどルールを決めておきましょう。
トラブルが起きたら専門家に相談する
もし形見分けで自分たちでは解決できないようなトラブルが起きてしまったら、弁護士や税理士などの専門家に相談することが大切です。
トラブルをそのままにしてしまうと、良好だった人間関係にもヒビが入ってしまうかもしれません。
専門家にアドバイスをもらうことで、冷静に話し合いを進めることができるでしょう。
故人を近くに感じさせてくれる形見は、残された人たちにとって心の拠りどころになります。
形見分けで親族や友人の間でトラブルが起きては、故人も悲しむはず。
誰かが勝手に遺品整理をするのではなく、事前にきちんと話し合いをすることで、トラブルなく形見分けを終わらせることができるでしょう。
「できるだけトラブルを避けたい」という場合は、大阪の遺品整理業者PROUD(プラウド)のような、プロの専門業者に相談することも1つの方法ですよ。