形見分けは、故人のことを想ったり、思い出を共有したりするために行われます。
「絶対にこうしなければいけない」という決まりはありませんが、思わぬトラブルを避けるためには、ある程度進め方を知っておくのが望ましいでしょう。
今回は形見分けの進め方や、気をつけておきたいポイントなどについて紹介します。
そもそも形見分けとは?
そもそも形見分けとは、故人が遺した形見を親戚や親しい友人などに分けることです。
思い出を分かち合うことで、故人を供養しようという想いから行われています。
地域によっては「袖分け」や「裾わけ」と呼ばれることも。
形見には、故人が生前大切にしていたものや、日常的に使っていたものなどが選ばれます。
ただし、価値が高いものは遺産として相続税の対象になるので、高価すぎるものは形見に含まないようにしましょう。
生前に形見分けがあることも
亡くなった後ではなく、生前に形見分けが行われることもあります。
生前の形見分けでは、誰に何を贈るかを決めることができる、また形見として分けてほしいものを選ぶことができるので、贈る人にも贈られる人にもメリットがあるでしょう。
しかし、口約束をしただけでは死後の形見分けでトラブルになるケースもあるので、遺言書やエンディングノートなどに、自分の意思を記しておくことをおすすめします。
形見分けの進め方とは?
「形見分けという言葉は知っているけど、具体的な進め方は知らない」「誰がいつ行うものなの?」など、形見分けについて詳しいことは知らないという人も多いのではないでしょうか?
形見分けに明確なルールはありませんが、行う前におおまかな進め方は知っておきたいですよね。
ただし、形見分けは義務ではないので、もちろん「形見分けしない」という選択肢もあります。
それぞれの気持ちや状況などを考えながら、臨機応変に対応していきたいですね。
法定相続人が主導して親族や友人に声をかける
形見分けは法定相続人が主導して、故人の家族や親戚、親しくしていた友人などに声をかけて行われます。
法定相続人とは、法律によって被相続人の財産を相続できると決められている人のこと。
常に配偶者が法定相続人になっていて、配偶者以外の人は順序が決まっています。
第1順位は子ども(亡くなっている場合は被相続人から見た孫や、ひ孫)、第2順位は両親(亡くなっている場合は被相続人から見た祖父母)、第3順位は兄弟姉妹(亡くなっている場合は甥・姪)です。
形見分けを義理の家族が主導するのはあまり望ましくなく、基本的に直系の家族によって行われます。
形見分けをする時期
形見分けをする時期については、一般的に忌明けの法要後に行うのが良いとされています。
忌明けは宗教によって異なり、仏教の場合は四十九日法要後、神道の場合は三十日祭もしくは五十日祭の後です。
キリスト教には形見分けという風習がありませんが、30日後に行われる追悼ミサの後に行われるケースもあります。
ただし、近年では親族が集まって話し合う機会が少ないなどの理由で、葬儀後すぐに形見分けをすることも増えています。
基本的に目上の人には形見分けしない
本来形見分けは、親から子に、兄姉のものを弟妹にという形で行われてきたものです。
そのため、目上の人に形見分けをするのは失礼だとされてきました。
親族であっても、目上の人に分けるものではないとされています。
しかし、最近では本人からの希望があった場合や、特に親しかった人には形見分けするケースも増えています。
目上の人に声をかける場合は「ご無礼な申し出と存じますが」と、一言伝えるようにすると良いでしょう。
形見には包装しない
形見はプレゼントと違って、あくまで遺品なので包装はしません。
そのまま手渡しで渡すか、何もしないのが気になる場合は半紙などの紙で軽く包む程度にしておきましょう。
受け取る人の気持ちを考えて行う
形見分けは、受け取る人の気持ちを考えることも大切です。
「ぜひ貰ってください」と無理に押し付けてしまうと、相手を困らせてしまうこともあるでしょう。
クリーニングに出して汚れを落としたり、動作確認をしてメンテナンスしたりして、きちんと手入れしたものを渡すのは最低限のマナーです。
形見はきれいな状態にした上で、受け取る人の気持ちや好み、年齢に合ったものなどを配慮して贈るようにしましょう。
遺された形見は、故人を思い出す拠りどころになるもの。
形見分けでトラブルが起こっては悲しいので、タイミングや受け取る人の気持ちなどをよく考えて行うようにしましょう。
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