遺品整理をすると、亡くなった人の個人情報が分かる書類や遺品などが多く出てきます。
作業を進める中で「これはどうやって処分すればいいんだろう?」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか?
今回は、遺品整理で個人情報の処理が大切な理由や、正しい処分方法などについて紹介します。
遺品整理で個人情報の処理が必要な理由とは?
遺品整理をしていると、個人情報が分かるものが次々と出てきます。
「どうすればいいんだろう?」と処分方法があやふやな人も多いかもしれませんが、正しく処理しなければ大変なことになる可能性も。
まずは、遺品整理で個人情報の処理が重要な理由について紹介します。
詐欺被害に遭うリスク
亡くなった人の個人情報が流出してしまうと、詐欺被害に遭ってしまう可能性があります。
たとえば「故人が生前に多額の借金をしていた」など、架空請求が来るかもしれません。
他にも、クレジットカードが不正利用されるなどの事例もあります。
出したゴミを漁られる可能性は決してゼロではないので、氏名や住所、電話番号などは絶対にそのまま捨てないようにしましょう。
犯罪に悪用されるリスク
遺品整理で流出した個人情報は、犯罪に悪用されるリスクも。
たとえば、返納手続きをしなかったパスポートが盗まれると、不法な出入国に利用されて、国際組織犯罪を助長することになりかねません。
また、犯罪者によって勝手に個人名義の口座が開設されてしまい、犯罪に関わる金銭の受け渡しに利用されるケースなども考えられます。
アカウント情報を乗っ取られるリスク
SNSやブログなどのデジタル遺品をそのままにしていると、アカウント情報を乗っ取られる可能性もあります。
ページが荒らされてしまったり、第三者が故人になりすまして誹謗中傷などの迷惑行為をしたりするケースも。
サービスによっては住所や電話番号、クレジットカードを登録するものもあるので、長期間放置するのは危険です。
有料サービスの自動支払いなどが続いてしまうリスク
遺品整理で個人情報を適切に処理しなければ、故人が生前に契約していた有料サービスの自動支払いが続いてしまうこともあります。
音楽配信や動画配信などのサブスクリプションサービス、新聞の定期購読などは、解約手続きをしなければ自動的に引き落とされてしまうので、余計な支払いを続けることになってしまうでしょう。
遺品整理における個人情報の正しい処理方法
遺品整理で個人情報の流出を防ぐには、正しい方法で処分することが大切です。
それでは、個人情報の処理方法についてチェックしてみましょう。
公的書類の処理方法
保険証やパスポート、免許証、マイナンバーカードなどの公的書類は、決められた窓口に返却してください。
保険証は勤務先もしくは市町村の担当窓口、パスポートはパスポートセンター、免許証は警察署、マイナンバーカードは市町村の担当窓口に返納します。
返納する場合は死亡したことを証明する書類や届出人の身分証明が必要なこともあるので、事前に準備しておきましょう。
クレジットカードの処理方法
クレジットカードを処分するときは、まずカード会社に連絡して解約手続きをします。
解約したクレジットカードは、ハサミを入れて処分するようにしましょう。
デジタル遺品の処理方法
亡くなった人の個人情報を整理するときには、デジタル遺品も確実に処理しましょう。
SNSは追悼アカウントにすることで、第三者に悪用されることなく大切な思い出を残すことができます。
サブスクやインターネットバンキング、電子マネーなどの退会・解約手続きも忘れずに行ってください。
また、故人が株やFX、仮想通貨などで取引をしていた場合は、放置しているうちに暴落して多額の損失を出す可能性もあるので、はやめに確認しておきましょう。
故人が見られたくない個人情報に配慮する
遺品整理をする人は、故人が見られたくないであろう個人情報に配慮することも大切です。
特にデジタル遺品の中には、故人が秘密にしておきたかった写真やデータ、履歴などが残されているかもしれません。
見る方も「知りたくなかった」と思うかもしれないので、プライバシーに関することは見ないようにするのも1つの選択です。
悪徳業者に要注意!
「遺品整理をする余裕がない」「できるだけはやく遺品整理を終わらせたい」という場合は、プロの遺品整理業者に依頼するのがおすすめです。
しかし、中にはパソコンのハードディスクにデータを残したまま他の業者に流したり、片付けるフリをして個人情報を盗んで悪用したりするような悪徳業者も存在します。
遺品整理業者を選ぶときは、信頼できる業者に任せることが大切です。
遺品整理では、個人情報を正しく処理しないと詐欺被害に遭ったり、犯罪に悪用されたりする可能性があります。
公的書類やクレジットカード、デジタル遺品に残された個人情報などは、正しく処理することが大切です。
遺品整理業者に依頼する場合は、くれぐれも悪徳業者に注意して、信頼できるプロに任せるようにしましょう。