生前に遺影写真を撮影することは、昔は「縁起が悪い」として避けられてきました。
しかし、最近では終活で遺影写真を準備する人が増えています。
今回は生前遺影が注目されている理由や、メリットなどについて紹介します。
生前遺影が注目される理由は？
エンディングノートや遺書を用意したり、身の回りを整理したりして、自分らしい最期を迎える準備をする「終活」。
最近では終活の中で生前遺影を撮ったり、写真の中からお気に入りを選んで用意したりする人も増えています。
昔の遺影は正面を向きかしこまった表情のものが一般的でしたが、最近では生前の人柄を偲ばせるような、ナチュラルな表情の遺影もよく選ばれていますよ。
まずは、近年生前遺影が注目を集めている理由についてチェックしてみましょう。
自分らしさを表現できる
終活で遺影を撮影しておくと、自分らしさを表現できます。
最近ではカラーの遺影がよく選ばれていますが、好みによってモノクロやセピアの写真を選んでも構いません。
表情も、真面目で実直な性格の人であれば凛々しい写真、明るく朗らかな人であれば優しい笑顔の写真など、好きなものを選ぶことができるでしょう。
遺影写真は必ずしも写真館で撮らなければいけないという決まりもないので、旅行先でのリラックスした表情を納めた1枚を選ぶ人もいます。
服装についても、スーツでカッコよく決めても良いですし、お気に入りのワンピースなどを着て撮るのも素敵です。
顔が隠れるサングラスなどはあまり相応しくありませんが、よく身に付けていたハットやステッキ、大好きな花、趣味のアイテムなどを演出に使うのも、自分らしさが出せるのでおすすめですよ。
遺影写真はいつ撮ってもOK
遺影写真を撮影するタイミングに悩む人もいるかもしれませんが、基本的にいつ撮ってもOKです。
「いつまでに撮らないといけない」という決まりはないので、終活をはじめたタイミングで写真館へ撮影に行ったり、お気に入りの1枚を選んだりすると良いでしょう。
あまりに先延ばしにしていると、急な病気やケガなどで「元気なうちに撮っておけば良かった…」と後悔する可能性もあるので、思い立ったら早めの行動がおすすめです。
「生前に遺影を用意しておくと縁起が悪いのでは？」と思って、なかなか踏み切れない人もいるかもしれません。
しかし、最近では「遺影写真を準備すると長生きする」とも言われており、長寿祈願も込めて生前遺影を撮影する人も増えていますよ。
節目の記念撮影にもおすすめ
生前写真を撮る場合は、家族写真も一緒に撮ってもらうのもおすすめです。
「普段なかなかプロに撮影してもらうことがない」という人にとって、きっと良い思い出になるはずですよ。
誕生日や結婚記念日、お孫さんの節句など、節目の記念撮影として写真を撮ってもらう人も多く見られます。
家族と一緒に行くことで、リラックスした表情ができたり、家族目線で「その人らしさ」が出せているかをチェックしてもらったりすることもできるでしょう。
ヘアメイクもプロにお願いすれば、とびきり素敵な写真が撮影できるはずです。
「メイクも髪型も美しく整えてもらうことで、気持ちも明るくなる！」「写真撮影をきっかけに、以前より鏡を見る回数が増えた」など、記念写真が人生に再び活力を与えてくれたという人もいますよ。
終活で遺影写真を撮るメリット
終活で遺影を用意しておくことは、自分のためだけでなく家族のためにもなります。
「遺された人たちに迷惑をかけたくない」という人にも多く選ばれている、生前遺影。
終活で遺影写真を撮ることには、どのようなメリットがあるのでしょうか？
気に入った写真を遺影にできる
遺影は長い間、家族を見守り続ける大切なもの。
遺影を見るたびに家族が思い出してくれるのはもちろん、代々飾られることになれば、何十年も後に子孫が遺影を見て「こんなご先祖様がいたんだ」と思いを馳せてくれることでしょう。
また、葬儀に参列する人や仏壇に手を合わせてくれる人の目に入るので、自分で気に入った写真を選べるのは、生前に遺影を準備しておく大きなメリットになります。
気に入った写真であればスマホで撮影したものでも遺影にできますが、一部が見切れていたり、引き伸ばしたときに画質が粗くなってしまったりすることも。
生前に遺影を準備する場合は、せっかくならプロに撮影してもらった方がいいかもしれませんね。
遺された人が遺影選びで悩まない
生前遺影を撮っておくことで、遺された人が遺影選びで悩まないというメリットもあります。
葬儀の手配や様々な手続きなどでバタバタしている中で、遺影にふさわしい写真を選ぶのはとても大変なこと。
前もって用意しておけば、家族がスムーズに遺影を準備できるでしょう。
ただし、せっかく遺影を用意していても、誰かに伝えていなければ飾ってもらえません。
事前にデータの場所を伝えたり、エンディングノートなどに書き残したりして、生前遺影があることを知らせておくことが大切です。
終活や生前整理などの言葉が広く認知され、自分が亡くなったあとのことや葬儀のことを考えるのも、普通のことになってきました。
終活で遺影を準備しておくことは、自分で気に入った写真を選んだり、遺された人への負担を軽くしたりできるといったメリットがあります。
自分らしさを表現できるので、家族にも素敵な姿で思い出してもらうことができるでしょう。
節目の記念写真にもなるので、終活では遺影写真を撮影してみてはいかがでしょうか？
